突然ですが、オニオンスライスを作りすぎてしまったことってありませんか?
旬の新たまねぎを味わおう!と思って、家族全員の分を張り切ってスライスしたのはいいものの、意外とみんな食べなくて余ったとか・・・。(←筆者のことです)
余った分はおとなしく、翌日のお味噌汁とか炒め物に使えばいいんですが、ふと気になったんですよね。
「オニオンスライスって冷凍保存できるの・・・?」
ものすごくマニアックな疑問だということは十分承知です。だけど・・・気になる!!!
オニオンスライスを冷凍するとどうなるのか?解凍してお料理に使えるの?栄養素はどうなるの??
料理本片手に調べて、分かりやすくまとめてみました。
<こんな本を参考にしましたよ!>
「おいしい!」を解き明かす 料理と栄養の科学 著者: 渋川祥子、牧野直子
食品の保存テク 便利帳 選び方ポイント付き
生のまま冷凍 凍ったまま調理 フリージング野菜レシピ: 生のまま冷凍 凍ったまま調理 著者: 金丸絵里加
長期保存OK! いろんな料理に使える! 味つけ冷凍レシピ 著者: 森洋子
スポンサーリンク
Contents
オニオンスライスは冷凍できるのか?
まずはじめに、オニオンスライス、つまり生のたまねぎは冷凍できるのか?(というか、冷凍しても大丈夫な野菜なのか?)について。
これに関しては、『解凍後に加熱して食べることが前提なら冷凍OK!解凍後の生食はNG!』です。
そう、オニオンスライスは冷凍できるけれども、解凍したら必ず加熱して食べることがお約束。その理由は次3つです。
- 解凍後の状態が解凍前よりかなり変わるから!
- 栄養価の問題
- 衛生面の問題
それぞれもう少し詳しく説明していきますね!
オニオンスライス(生のたまねぎ)冷凍ビフォーアフター
みなさんご存じのとおり、たまねぎって水分の多い野菜ですよね。春ごろに出回る新たまねぎなんて、表面を乾燥させていない分みずみずしいったらありゃしない。
そんなみずみずしいオニオンスライスを冷凍して、解凍したとするとどうなるか?
べちゃっとなります。
解凍すると、実から水分(ドリップ)が出ちゃうんですよね。
どうして水分が出てしまうかというと、たまねぎの実の中の水分が凍る際に、周りの細胞組織を壊すから。そして解凍したときには、表面の壊れた細胞組織から水分が流れ出てくるという仕組みですね。
だから、シャキシャキのオニオンスライスを冷凍しても、解凍したときにはシナシナです。それにプラス水分。
甦れシャキシャキのオニオンサラダ!!にはなりません。
解凍後のオニオンスライスを生で食べるには、食感がよろしくないので、加熱してお料理に使ってね!ということですね。
スポンサーリンク
栄養価はどう変化する?
前述のとおり、オニオンスライスを冷凍して解凍すると、ドリップ(水分)が出ます。
その水分の中に、「水溶性の栄養」は溶け出てしまいます。
たまねぎに含まれる主な水溶性の栄養
- ビタミンB1(糖質をエネルギーに効率よく変えてくれる栄養)
- ビタミンC(美容と抗ストレスの栄養)
- 硫化アリル(辛み成分)
- ケルサチン(抗酸化作用のあるポリフェノールの一種)
辛み成分が抜けるのは個人的には嬉しいですが、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1・美容と抗ストレスのビタミンCがダラダラと抜けるのは悲しい!!
解凍後の水分を捨てて調理してしまっては、栄養素は確実に少なくなってしまいますね。
解凍後のオニオンスライスを料理に使う時には、水分も一緒に使おう!
やっぱり衛生面がね・・・
何度も言いますが、解凍したオニオンスライスはべちゃっとしています。水分が出てますから。
栄養素の含まれた水分には、やっぱり目に見えない細菌などが集まってくるわけで・・・。
筆者は決して潔癖症ではありませんが、解凍後にベちゃっとなっている食材はとっさに「加熱!!」と思いますよね。
食感もさることながら、衛生面のことも考えて、オニオンスライスを冷凍した後は加熱して使いましょ!
オニオンスライスの上手な冷凍・解凍方法
もしもあなたが筆者と同じように、オニオンスライスを作りすぎて冷凍しようかな・・・と考えているなら、次のような方法で冷凍や解凍をしてみてください。
冷凍方法
オニオンスライスの表面について水気をしっかり切り、フリーザーバッグなどに入れます。おおざっぱにバサッと入れるのではなく、バッグの厚みが均一になるように薄く平らにして入れましょう。
そして、真空パックをイメージして、なるべく空気を抜いて密閉します。
その状態で冷凍庫にIN!保冷剤を上に載せたり、アルミバットの上に置いて冷凍すると素早く凍ってくれます。解凍後のべちゃべちゃを最小限に抑えられますよ。
冷凍したからと言って過信せず、なるべく早めに使い切ってくださいね。(目安は最大2~3週間)
解凍方法
冷凍したオニオンスライスは、完全には解凍せず、半解凍くらいで料理に使うのがおすすめです。野菜炒めに使うくらいの少しの量なら、凍ったまま炒めてもOK!(薄いしすぐ火が通りますからね)
- 薄く平らにしてフリーザーバッグなどに入れる
- 空気を抜いて冷凍する
- 主な解凍方法は加熱して調理すること
オニオンスライスの上手な冷凍・解凍方法はこの3つがポイントになります。頭の片隅に置いておいてください!
冷凍したオニオンスライスをおいしくいただく調理法
さて、せっかく冷凍したオニオンスライスは、最終的においしくお腹に入ってくれなければ意味がありませんね。
「加熱して使うこと!」と先ほど言いましたが、一体どんな調理法がいいのか?そのヒントは「冷凍後のオニオンスライスの甘み」にあります。
冷凍したオニオンスライスは甘みが増す!
冷凍したオニオンスライスは、凍っていく途中で実の中の細胞が壊れ、成分が外ににじみ出やすくなります。
その影響で、たまねぎが持つ甘み成分が外に出てくるため、甘みが増したように感じるのです。
冷凍したオニオンスライスは、生の状態よりも甘みを感じやすくなります。なので、甘みを活かした調理方法がベストというわけです。
たまねぎの甘みを活かした調理方法といえば、
- あめ色たまねぎ
- 煮込み料理
ですね!
水分の出やすくなった冷凍のオニオンスライスを炒めれば、生の状態からよりも短時間であめ色たまねぎが作れます。(しかも水分が出るのでこげにくい!)
それをシチューやカレー、スープに入れて・・・なんて想像すると、お腹が減ってきますね。
わざわざあめ色たまねぎにするのは面倒くさい!という方は、そのままスープの具材として使っても問題ありません。コンソメ味やお味噌汁など、野菜の甘みと合う味付けがいいですね。
作りすぎたオニオンスライス、次の日はたまねぎを食べる気がしないんだよな~というときは、冷凍ワザをお試しあれ!
まとめ
オニオンスライスは、「加熱して食べる」を前提とするならば、冷凍できます!
むしろ冷凍したあとは、甘みが増すように感じるので、野菜のうまみを生かしたい料理にはもってこいです。
手間暇かけたように見せかけて、実は冷凍したオニオンスライスがポイントなんだよ・・・と、賢い主婦の裏ワザにしてみてもいいかもしれませんね!
こちらの記事もあわせてどうぞ↓