「十五夜お月さん」の歌詞の意味 悲しく苦しい童謡の由来とは?

満月

十五夜お月さん ごきげんさん
ばあやは おいとま(お暇)とりました

十五夜お月さん 妹は
田舎へもられて(貰られて)ゆきました

十五夜お月さん かかさん(母さん)に
もいちどわたしは あいたいな

「十五夜お月さん」という童謡は、「シャボン玉」を作詞したことでも知られる野口雨情(のぐちうじょう)が、1920年に発表した歌です。

その歌詞を読み解くと、なんともやりきれない意味が込められていることが分かります。

日本の童謡には悲しい意味を持つものがたくさんありますが、この「十五夜お月さん」は、飛びぬけて悲しく感じます。

さっそくどんな意味の歌詞なのか?現代語訳に直してみたいと思います。

この記事で参考にしたもの

  • 唱歌・讃美歌・軍歌の始源  著者:小川和佑
  • 流行り唄の誕生 著者:朝倉喬司


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「十五夜お月さん」の歌詞に込められた悲しい意味とは?

孤独

十五夜お月さんの歌詞を現代語に直してみると、次のようになります。

まん丸い、きれいな十五夜お月さまを見ていたら、朝から晩まで働きどおしで死んでいったおばあちゃんを思い出しました。

まん丸い、きれいな十五夜お月さまを見ていたら、口減らしで遠い田舎にもらわれていった妹を思い出しました。

まん丸い、きれいな十五夜お月さまを見ていたら、死んでしまったお母さんにもう一度会いたくなりました。

このように、いわゆる一家離散の意味が込められているのが「十五夜お月さん」という童謡です。

この歌詞の主人公となる人物は貧しく、毎日働きづめでも生きていくのがやっとの生活をしているのでしょう。

日々の仕事に追われながら流れるように時を過ごし、ふと、秋の澄み切った夜空を見上げてみると、輪郭がはっきりと浮かぶ満月。

青黒い空の中に、ひとつだけぽつんと存在するその満月を見て、自分の「独り」を実感し、そばにいない家族を思い出している・・・といった情景が浮かびます。

寂しい、寂しい、会いたい、悲しい、生きなければ。

いくつもの感情が混ざり合った状態で十五夜の満月を見ている様子が、歌詞で表現されています。

この記事の筆者は自分の家族のことが大好きなので、このような歌詞の意味に触れると胸が押しつぶされそうになります。

せめてこの歌詞で起こっている出来事が、ひとりの人物ではなく、3人の人物それぞれをお月さまが見ている・・・というシチュエーションだったなら。

重くのしかかる感じは、多少は分散されるように思います。


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「十五夜お月さん」が作られた当時の時代背景

アンティーク時計

「十五夜お月さん」が作られた1920年は大正時代です。

当時は子だくさんで貧しい家庭が多かったようです。そのため、口減らしのために子どもを奉公に出すケースも珍しくなく、家族がやむを得ず離れ離れになってしまうことがよくありました。

ちょうど、この記事の筆者の祖母の生まれ年が1920年に当たります。祖母も生前、親元を離れて奉公に出たと語っていました。

たくさんいたきょうだいも、当時の栄養状態や寿命の関係で、長く生きられない人もいたそうです。

家族がひとつ屋根の下で、当たり前のように過ごす今の世の中とは、全く違った時代が垣間見れます。

そんな時代背景も、「十五夜お月さん」の歌詞の意味に重ねて見ることができますね。

「十五夜お月さん」作詞の野口雨情の生い立ちにもヒントが

万年筆

「十五夜お月さん」の物悲しい歌詞は、作詞した野口雨情の人生からも影響を受けていると思われます。

野口雨情は、父親の死や自らの子どもの死、離婚など、さまざまな人生の苦難を味わっている人です。

また、作詞家として活動を始めた際もなかなか上手くいかず、自暴自棄になっていたときもあったようです。

そんな、数々の苦しみを味わった背景がある人が紡ぐ歌詞に、どことなく物悲しく、やりきれない感情が含まれているのは自然なことなのかもしれません。

※参考サイト「野口雨情の一生」

まとめ

中秋の名月

十五夜を代表する歌である「十五夜お月さん」

その歌詞には、作られた時代に多くの家庭が直面していた厳しい事情や、作詞家の野口雨情自身が体験してきた悲しい出来事が込められていました。

秋の夜長でぽっかり浮かぶ満月に、どんな思いをはせるかは人それぞれ。

今では「キレイだねぇ~・・・」とロマンチックに感じる人が多いでしょう。しかし、ひと昔前の時代の人には、悲しさや孤独感の象徴に見えていたのかもしれません。

「十五夜お月さん」の切ない歌詞の意味から、今の便利で快適な世の中がどれだけ幸せなのか?実感できますね。

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